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長野市農政懇談会を開催致しました

長野市農政懇談会開催

開催日 平成28年11月17日(木)

場 所 ホテルメトロポリタン長野にて

この度、長野市農政懇談会において、TPP交渉・農業・農協改革など、農業を取り巻く情勢が非常に厳しい中、長野市農業協同組合協議会、長野市農業委員会、長野市及び長野市農業公社と、農業の現状について、取り組み状況と事業推進上の課題について懇談致しました。

又、「長野市と取り巻く農業の現状~都市型農業(都市近郊型農業)と中山間地域~」について、今後の農業振興の推進や農業後継者の育成などの課題も踏まえ、長野市の中山間地域の活性化などについて意見交換し、今後、関係機関が連携して農業振興を図っていくことを確認しました。

近況報告

■農協改革について(JA長野中央会)

平成28年4月1日政府の諮問機関である規制改革推進会議における「農協改革についての意見」を受け農業の成長産業化をより一層図るため農協法が一部改正されました。

JA長野県グループ改革目標である「農業所得の増大」と「社会に貢献する地域協同組合の役割発揮」達成に向け、改革目標につながるJA長野県ビジョン(6年間の長期計画)をたて、現在、後期中期計画(平成28年度~30年度)において農業振興や自己改革に取り組んでいるところです。

■長野市農業研修センターについて(農業政策課)

長野市では、農業者の高齢化や後継者不足により農業の担い手が減少し、一方で地産地消の推進や食の安全を求める声が高まる中、農業に関わりたい方も年々増加しています。

そこで、農業に携わりたい方、企業をサポートするため農業研修センターを整備し、多様な農業の担い手として育成していくことを趣旨とし、農業研修センターを開設します。

■有害鳥獣対策とジビエ振興について(いのしか対策課)

長野市では「長野市ジビエ振興計画」(平成28年11月)について野生鳥獣による農業被害軽減とジビエ活用による地域活性化の仕組みの構築を趣旨として下記項目の推進を図ります。

①適正な固体数調整による農業被害軽減の推進
年間捕獲目標:イノシシ600頭とニホンジカ700頭 計 1,300頭

②ジビエ肉処理加工施設の整備推進

③新たな地域資源による中山間地域の活性化の推進

■意見交換で交わされた主な内容

●農業後継者の育成について
≪長野市農業委員会≫
・担い手育成対策として、農家子弟の就農が重要。所得が増えれば就農も増え、地域のリーダーにもなるので、これを支援する対策を講じていく必要がある。
・新規就農として定年帰農者も重要であり、今後はこれを柱としていく支援が重要と考える。●都市型農業への提案について
≪長野市経済振興議員連盟(新友会)≫
・長野市は果実が多く、高品質である。東御市の「ワイン特区」のような「果実特区」を作り、年間の収入が見える経営にしていくことが必要ではないか。

≪長野市農業委員会≫
・現状では、りんご・もも等の下級品を加工品にしているが、100%加工目的にした栽培が普及しつつある。
例えば、全農で紅玉専用圃場を検討するなどの必要があり、TPPが導入されれば、加工業は経営が困難となるので、目的を持った加工栽培が重要となってくる。

●農協についての質問
≪長野市経済振興議員連盟(新友会)≫
・長野市産の出荷先は主にどの都市か、教えていただきたい。

≪JAグリーン長野≫
・主に、大阪、名古屋、東京方面。

≪JAながの≫
・野菜は主に地元市場、他に中京、北陸方面、果実は大阪、関東方面。

≪長野市経済振興議員連盟(新友会)≫
・JAながのの直売所は現在何箇所か。
・うえまつ直売所は売上げが伸びているとのことだが、特産品があるのか。

≪JAながの≫
・アグリながぬま、あもり直売所、うえまつ直売所の他、本年度、駅前に新たに設置して計4箇所。
・うえまつ直売所には、中心は裾花地区だが、他に飯綱町や信濃町など広域から持ち込んでおり、種類も多く、団地も抱える市街地で盛況である。

●女性農業者支援・就農支援について
≪長野市経済振興議員連盟(新友会)≫
市議会女性議員6名で行政と懇談会を行っているが、介護や子育てなどの相談体制も必要と感じる。
また、昨年の建議書でも女性農業者の支援について要望しているが、取り組み状況をお聞かせいただきたい。

≪JAグリーン長野≫
JAグリーン長野では営農懇談会の中で、女性用にパセリ、ミニトマトなどの軽量作物を提案している。
また、新規就農者向けにグリーン農業講座を開催しており、毎年100名(男性6割、女性4割)が毎月テーマを設定して実施している。
9月に農業機械の実演講習、各流通センターでは農業普及センターと連携し果樹セミナーを行っている。

≪長野市農業政策課≫
長野市では、本年度、びんずる市で試行的に相談窓口を設置した。
当初、農業・就農相談として開催したが相談者が少なく、家庭菜園的な相談に切り替えて実施したところ、数名の相談者があった。
県の地方事務所単位で企画している女性農業者の就農相談のPRや東京・大阪・名古屋等での就農相談・移住相談を今後も積極的に行っていく。

●りんごなどの海外輸出について
≪長野市経済振興議員連盟(新友会)≫
りんごの海外輸出について、青森県では全国36,000tのうち、90%に当たる34,000t、また、北海道では長いもを生産量全体の5%を輸出しているとのことだが、本市として輸出に支障となるものは何があるのか。

≪JAながの≫
代金の回収リスク、農薬の規制や病害虫対応、国内流通単価の値上がりと出荷要請の増加、船輸送のコンテナ確保が難しいなど。(青森が輸出に力を入れているので、国内市場では量が不足し、値も上がっている。生産量が減少している中、相手の要請に応えられるかどうか。)

≪JAグリーン長野≫
長いもについては、中国産の輸入物を減らし、10年前から国内産に切り替えている外、国内の大手でも大半が国内産に切り替えてきている。まずは、国内需要に対応していきたい。