新友会政策モニター研修会

新友会政策モニター研修会

新友会政策モニター研修会開催

開催日 令和4年11月27日(日)

場 所 長野ホテル犀北館

講演会

演題

『挑戦!世界一暮らしやすいまちをめざして』

講師:長野市長 荻原健司 氏

【講師略歴】

1969年群馬県草津町出身
元スキー・ノルディック複合選手
1992年アルベールビル、1994年リレハンメルの冬季オリンピック複合団体2連覇ノルディック複合ワールドカップ個人総合3連覇
参議院議員1期、公益財団法人長野県スキー連盟副会長、長野県教育委員会委員、公益財団法人長野県スポーツ協会理事など歴任
令和3年11月長野市長就任

新友会では、政策立案・調査・審議等の活動をより活発にするにあたり、恒常的に市民の意見を聴くための制度として政策モニター制度を設けております。
新型コロナウイルス感染症の影響により、7月の開催は見送りましたが、今回、荻原市長のご講演ということもあり、感染対策の一環として、予定していた議員との意見交換会の時間を割愛させていただき、その分、講演時間と質問時間をしっかり確保し開催させていただきました。
荻原市政が誕生して約1年。ご自身が選挙で掲げられた政策のこれまでの達成状況や、今後、市民の皆様と共に向かう長野市の方向について、熱く語っていただきました。
また、講演会終了後、若者や子育て中の方への支援や、若手の農業従事者との懇談の機会への要望のほか、地域のコンテンツや自然の資源などの情報発信に関する質問が出され、市長から現状の説明や要望への回答がありました。

新友会が当日の状況をまとめましたので、ご覧ください。

1992年アルベールビルと1994年リレハンメルの冬季オリンピック2大会連覇、1993年から95年、97年と世界選手権で個人・団体で総合3連覇、その後1998年長野オリンピックでは、日本選手団の主将を務め、全選手を代表して選手宣誓も経験した。
実はアルベールビルオリンピック以前は、毎回大会に出ても30位から40位という結果が続き、大学卒業でスキー選手としては引退も考えていた。しかし最後の挑戦として、V字ジャンプへの移行を決断し実行したことが、その後のオリンピックの勝利に繋がった。
追い込まれた時の決断や、劣等感を前向きなエネルギーに変え、変化の兆しをとらえて、「即断、即決、即実行」していくことが、スキー選手としての活動から得た教訓である。
また、日本のスポーツはまだまだ世界の中では弱い立場であり、そのルールを自分自身の行動で変えていくことにも取り組んできた。選手時代の教訓が市長となった今も活かされている。
私自身が考える長野市の行き先、ロードマップは「持続可能性の問題」に焦点をあてている。国連で採択されたSDGs(持続可能な開発目標)は人々と地球に利益をもたらすためのものであり、同時に、長野市に暮らす人々のためのものである。いただいた任期の2025年までに長野市の持続可能性を強くする基盤づくりを進めたい。
目標を達成するためには、単に市民サービスの向上を図るだけでなく、何よりも未来を見据えた戦略を実行し、経験とポジティブさに裏打ちされた更なる行政のイノベーションに取り組む必要がある。加えて自立できるまちをつくるためには、長野市に暮らす人々との協力と連帯が必要であり、一昨年から続く新型コロナウイルス感染症の経験から私たちの暮らしに変化が求められている今だからこそ、行動を起こすべきだと考える。
具体的には、本年4月、新組織、「新産業創造推進局」を設置し、課を設けずチーム制で対応している。縦割りではなく、プロジェクトチームを作って達成していき、職員も積極的にチャレンジしていく庁内体制をつくっていきたい。
また、未来を担う若い世代の行動を促し、長野市の一員として頑張るという気持ちを持って頂けるよう、しっかりと意見を聴き、その方々がアクションを起こしてくれるような取り組みをしていきたい。
「即断、即決、即実行」、「やるか、今やるか」を肝に銘じながらチャレンジしていく。
世界を色々な視点で見てきた私が見ても、長野市は多くの魅力と可能性に溢れているまちである。
情熱を持って取り組んで行くので、是非皆さんにも気持ちを共有して頂いて、ご支援・ご声援を送って頂ければと思う。

▲講演会の様子

新友会政策モニター研修会

新友会政策モニター研修会開催

開催日 令和3年12月4日(土)

場 所 長野ホテル犀北館

講演会

演題

『長野市における新型コロナウイルス感染症の発生状況と保健所の対応』

講師:長野市保健所長 小林 良清 氏

【講師略歴】
社会医学系指導医・専門医
日本医師会認定産業医
信州公衆衛生学副理事長・同雑誌編集委員長
東京大学理学部卒業
北海道大学医学部卒業
佐久・長野・北信保健福祉事務所長など
2019年より現職

新友会では、政策立案・調査・審議等の活動をより活発にするにあたり、恒常的に市民の意見を聴くための制度として政策モニター制度を設けております。
新型コロナウイルス感染症の影響より、しばらく開催を見送っておりましたが、今回、政策モニター114名中、58名の皆様にお集まりいただき、開催が実現しました。
コロナ対応のため、今回はスクール形式による講演会のみとなりましたが、長野市保健所長 小林良清氏を講師にお迎えし、講演をいただきました。
冒頭、小林保健所長からは、この2年間、東日本台風19号災害から、新型コロナウイルス感染症の拡大にいたるまで、長期にわたり困難な状況が続き、長野市民のみなさまにご不便をおかけしていることについての話があり、自ら撮影した臨場感ある現場の写真をおりまぜて、詳細なデータを駆使してわかりやすく、丁寧にお話しいただきました。

新友会が当日の状況をまとめましたので、ご覧ください。

全国の傾向と同様、長野市でも新型コロナウイルス感染の流行を第5波まで経験したが、現在はかなり落ち着いている。
インフルエンザは全国的に一気に広がりをみせるが、新型コロナウイルスは都道府県によってばらつきがあり、インフルエンザとは感染の広がり方が違うのではないかとの印象を持っている。
加えて、諸外国と比較してみると日本は感染者が少なく、マスクや手洗いなどの感染防止の習慣が活かされているといえる。
また、ワクチンを2回接種した方からの感染者が非常に少なく、長野市では新型コロナウイルス感染症の療養中に亡くなった方が2021年4月28日以降ゼロであり、ワクチンの効果によるものと考えている。3回目接種の準備にも入っており、医療従事者からはじまるが、一般の方の65歳以上の接種券も順次お送りする予定である。
現在、第6波に向けて最大限の準備をしているが、長野市は他の自治体と比較しても12か所の保健センターがあって保健師の応援体制が取りやすく、また、医師会や医療機関との連携による検査や入院などの医療体制の構築、ワクチンの接種におけるかかりつけ医療機関での接種や集団接種会場(ビッグハット・エムウエーブ・アゲイン)での接種など、多くの支援をいただくことができ、大変恵まれている状況にあることにあたらめて感謝している。
長野市の感染者に関する公表については、感染者の気持ちへの配慮と市民への情報提供のバランスを考慮しながら慎重に行っているのでご理解いただきたい。
新型コロナに限らず、人類の歴史は、はしか、天然痘、ポリオなど、ウイルス感染とともにあったといっても良く、感染症は手を変え、品を変えて次から次へと現れるため、確実に消滅することはないと考えた方がいい。今回もwithコロナの世界が続いていくと予測する。その歴史から見ても一番無くすべきことは、人間同士の偏見や差別であると考えている。
コロナや感染症で苦しむ人がいなくなる世界にするために、引き続き市民の皆さんのご協力をいただきながら対応していきたい。

▲講演会の様子

【質疑応答】

Q1:長野市では感染後の後遺症で苦しんでいる人はいるか?どんな後遺症があるのか?

⇒感染された方には療養が終わった後も何かあったらいつでも相談するようにとお伝えしているが、これまでのところ相談はほとんどない。症状は、様々あると言われているが、他の病気による場合もあるので、不安な場合には医療機関を受診していただきたい。

Q2:3回目の接種券には接種会場を明記しているか?

⇒前回同様、接種する方の希望で場所と日時を決めて、予約していただく。

Q3:厳しい生活で大変苦しいが、先生のお墨付きがほしい、今後どこまで生活を緩めたらよいか?

⇒現在はコロナの予防に大きな関心が払われているが、人間が健康に生活するためにはフレイル予防も含めコロナ以外のいろいろなことも忘れてはならない。これまでと同様、基本的な感染対策を取りつつ、人との交流や社会経済活動も進めていくといいのではないか。

Q4:新友会のみなさんへお願いです。今回の所長の講演は大変良かった、エイズや、ハンセン病などの時もそうだったが、感染者に配慮した情報開示に納得するよう正しく理解を広めてほしい。

⇒(新友会から)新友会でも引き続きこの問題に注力し、市民にわかりやすく、正しい情報を発信していく

▲質疑応答にて丁寧に説明する小林講師

【参加者の感想・ご意見】

○ 新型コロナウイルスに対する保健所の対応を画像やグラフを用いてとても分かりやすく説明していただけて良かった。また、保健所長の感染拡大収束の思いと感染者に対する思いもありとても複雑な心境の中、務められている事にとても感心した。今後も市のために頑張っていただきたい。

○ ニュースなどの報道ではわからなかったことを話して頂き、対応の方法・注意すべきことが理解できて大変良かった。広く市民に広報してほしい。

○ 今後も感染対策をしっかりして日々の生活を送ろうと気持ちを新たにした。早くコロナ終息を願っている。また、例えば感染した人への思いやりやフォローも大切であることが良くわかった。

○ 医療従事者の皆様に感謝する。私たちも緩みがちであるが、皆様にまた大変な労力をさせてしまわないよう気を引き締めたい。