新友会政策モニター研修会開催
開催日 平成29年7月15日(土)
場 所 メルパルク長野
講演会
2025年(平成37年)には、団塊の世代が75歳以上(後期高齢者)に到達し、介護の必要な高齢者が急増するとみられています。本市における介護保険の実施状況と介護保険制度を取り巻く課題・制度改正について講演いただきました。
演題「長野市における介護保険の実施状況等について」
講師 長野市保健福祉部長 竹内 裕治 氏
●長野市の介護保険実施状況について
介護保険制度は、介護の社会化を目的に社会保険制度として平成12年4月スタートし、今年で18年目を迎えました。制度の定着及び高齢化の進展に伴い、介護を必要とする要介護等認定者は、本年3月31日現在、高齢者:第1号被保険者(65歳以上)の約5人に1人、20,609人で、制度開始時と比べ3.4倍となっています。特に、要支援1から要介護1といった軽度の認定者の増加が著しく、要介護等認定者の半数を占めています。
介護サービス利用者の増加により、保険給付費(利用者負担を除いた介護サービスにかかる費用)も制度開始時の3.4倍となっています。保険給付費は、保険料と公費(税金)で半分ずつ賄われているため、保険給付費の増加に伴い介護保険料も上昇し続けており、第1号被保険者の介護保険料基準年額は、制度開始時の約2倍となっています。
〇介護保険制度開始時と現在の比較
H12年度 | H29.3.31現在(保険給付費についてはH27年度) | ||
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第1号被保険者数(65歳以上) | 65,703人 | 108,101人 | 長野市の人口の28.4% |
要介護(要支援)認定者数 | 6,126人 | 20,609人 | H12年度の3.4倍 |
※1 認 定 率 | 9.3% | 19.1% | 第1号被保険者の約5人に1人が要介護等認定者 |
保険給付費 | 8,643,707(千円) | 29,547,435(千円) | H12年度の3.4倍 |
第1号被保険者介護保険料基準年額 | ※2(H12年~H14年)30,840円 | ※2(H27年~H29年)65,880円 | H12年度の約2倍 |
※1 第1号被保険者に対する要介護(要支援)認定者数の割合
※2 介護保険料については、3年ごとの介護保険事業計画の見直しに合わせ設定
●介護保険制度の取り巻く課題と制度改正について
団塊の世代が後期高齢者となる2025年(平成37年)には、介護を必要とする高齢者がさらに増加し、介護サービスの利用者も増え、保険給付費の増大や介護保険料の上昇が見込まれています。
一方で、少子高齢化や人口減少が進み、2025年には、高齢者一人を働き世代の1.8人で支えるという人口構造となると推測され、介護サービスを支える人材の不足が見込まれると共に、介護保険制度の持続可能性が大きな課題となっています。
平成27年の介護保険制度改正では、制度の持続性を確保するために、サービスの重点化・効率化の観点からの見直しも行われ、特別養護老人ホームへの入所者は、原則要介護3以上の人に、また、サービス利用時の利用者負担について、一定以上の所得がある人は2割負担となりました。
その他の見直しの内容に「地域包括ケアシステムの構築」があります。
この中で、高齢者が住み慣れた地域で生活を継続できるよう「介護予防」の充実を図るとともに、困りごとなどを身近な地域の中で支えあうための「生活支援体制」の整備が重要な柱として位置づけられました。
本市においては、市内32地区を日常生活圏域として設定し、地域包括ケアシステムの構築を進めており、本年度は、生活支援体制の整備を市の重要案件として位置づけ、各地区との協働により進めていくこととしました。
本日お集まりの皆様方におかれましても、各地区での介護予防や生活支援体制の整備にご理解とご協力をお願いいたします。
●新友会としての今後の取り組み
以上が講演内容の要旨です。少子高齢化が叫ばれる中、長野市の介護体制整備は重要課題の一つです。
今回は、介護保険制度の状況等について講演頂き、参加者の皆様から貴重なご意見を頂きました。
年を重ねても安心して暮らせる長野市であり続けるために、ご意見を糧としてこの問題に取り組み、新友会の施策課題として今後も引き続き調査研究し、行政に反映できるよう努めてまいります。
講演に対する主な感想をご紹介します
自分自身でできることを身近なことから協力していこうと考えている。
懇談会
新友会政策モニター制度は、日頃から恒常的に市民の皆様のご意見を伺うための制度です。
講演会に続き8つのテーブルに分かれて、市政や地域の課題、また議会や議員への要望について議員との懇談を行いました。
今後の新友会の政策提言や議員活動に大変有効なご意見・ご要望をいただきました。
主なものにつきましてご紹介いたします。
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地域福祉計画について
●長野市は住民主体とするが、長野市の施策が伝わって来ない
●経済的な支援がもっと必要である
●社会福祉協議会があるのは32地区中6地区のみ。地域間の温度差がある
●認知症対策が急務。福祉推進員始め行政側が踏み込む必要がある
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長野市のまちづくりについて
●中心市街地の開発には全体構想を持った開発が必要
●長野市のもう一つの玄関口、東口の魅力が足りない
●若い人が楽しめる場所が必要。買い物をする場所がない
●若者が集うリノベーション環境を整えてみてはどうかと考える
●路上喫煙の条例化を進めて欲しい
●日赤の移転改築支援を進めて欲しい
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住民自治協議会について
●住民自治協議会を主体とする地方自治の形が今後継続できるか疑問。会長も事務局も高齢化が進み、なり手もいない。
安定した雇用の確保には処遇改善を図り、合わせて専従化の検討も進めるべき●一支所一事業の活動が伝わってこない
●様々な地域間連携が行われている。もっと行政区を超えた連携活動を推進すべき
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公共施設マネジメントについて
●芋井で行われたワークショップが良い事例。複数の古い施設を集約してコンパクトなものに作り変えていく手法は良い
●長野市財政を考えると歳入は限定的で歳出は福祉、教育に増大する。無駄な歳出はすぐにでもなくすべき、使わない施設は不要。大胆な判断が求められる
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農業について
●農業の担い手についての具体的な支援策が必要
●農産物の輸出に対して積極的な行政支援を要望する
●高齢者・障害者の農作業参加で農業振興を図って欲しい
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その他のご意見
●免許返納に伴いタクシー代の減額措置など特典付与を望む
●市職員が2~3年で異動してしまう。専門的部門においては考慮を願う
●市街地部では特に投票率が低い。期日前投票を促すなど対策が必要
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中山間地域について
●中山間地の多くは長野駅から20分の好立地。空き家対策含め、柔軟な移住対策が必要
●市街地との地域間交流を促進し、中山間地域の人的支援を加速するべき
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防災対策について
●最近の豪雨災害を見ると他人ごとではないと実感する
●一掃の災害に対する市民意識向上の啓発が必要
●災害の中でもゲリラ豪雨に対する水害対応の強化が大切と考える
●災害注意報・警報のエリアが広域でわかりづらい
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人口減少と高齢化対策について
●仕事場の確保をしていかなければいけないと感じる
●結婚年齢が上がり子供がいない。婚活をより一層進めて地域にこどもの声がするような施策を実施されたい
●企業誘致にもっと力を入れるべき。仕事が大切
※モニターの皆様から多くのご意見をいただきました。会派の政策提言の参考にさせていただきます。