新友会政策モニター研修会

新友会政策モニター研修会開催

新友会政策モニター研修会開催

開催日 平成28年12月10日(土)

場 所 ホテルメトロポリタン長野にて

講演会

演題「公共施設マネジメントに関する地域のワークショップ活動について」

講師 芋井地区住民自治協議会 会長 和 田  智 氏

長野市政課題である「公共施設マネジメント事業」に関し、芋井地区では公共施設再配置の計画策定にあたって、計画策定前段階から市民と行政がともに協議し地域住民の意見を組み入れた計画案とするために、「芋井地域の公共施設に関する初めての試み」として、市民参加によるワークショップを行っています。
ワークショップでは、地域住民や信大生など約30人が、地域のにぎわいやまちづくりにつながる公共施設の在り方や、地域交流の促進を生み出すアイデアなど様々な意見を出し合いました。その後、当初より作成していた「施設の再配置計画案」をたたき台として、A~Eの5グループごとに意見を出し合い、公共施設の再配置案としてまとめました。
芋井地区における「公共施設マネジメント」のワークショップ活動状況について芋井地区住民自治協議会会長の和田智氏から講演をしていただきました。

懇談会

新友会政策モニター制度は、日頃から恒常的に市民の皆様のご意見を伺うための制度です。
モニターの皆様によって市政に対する要望や意見をいただきました。
主なものにつきましてご紹介いたします。

  • 公共施設マネジメント関連

    ◎どんな事業でもワークショップを実施し、市民意見を聞く体制整備が欲しい。

    ◎公共施設の活用として市営美術館・展示場を設置して欲しい。

    ◎公共施設再編の件、データのみの机上のものではないか。

    ◎オリンピックスタジアムやMウェーブ等もっとプロ野球や芸能人を呼んで活性すべき。

    ◎スパイラルは休止し、その費用は交通対策や水道料金減免に活用して欲しい。

    ◎スパイラルは競技人口が少ないのが問題と聞くが、市として増やす事が必要ではないか。

    ◎社会体育館は需要も多く、予約が取りにくい。取り壊し予定の施設も残して欲しい。

    ◎公共施設の複合化は、積極的な推進が必要。

    ◎長年、改築・改修要望のある公民館の改善をお願いしたい。

    ◎城山公園一帯の市有施設整備の推進が必要。地元の声を反映して欲しい。

  • 人口減少・中山間地域・中心市街地活性関連

    ◎人口増対策とか言っているが、現状では子供達が長野市に帰ってくるとは考え辛い。

    ◎中山間地域だけでなく市街地の空き家が目立つ。

    ◎中山間地域・市街地共々空き家対策の推進をして欲しい。

    ◎老朽化した住宅の実情は放置できない実態と成っている。

  • 高齢者対策

    ◎高齢者・独居老人の災害時避難が心配。危機管理に対する対策強化を望む。

    ◎中山間地域の少子化に危惧するとともに「街」でも高齢化進み役員のなり手がいない課題が有る。

    ◎高齢者ドライバーの免許返納は足の確保が必要。デマンドバス利便性を高めて欲しい。

    ◎老人対策と子育てについては一か所で共に交わる施設が出来ないか。

  • 子育て関係

    ◎子育ては、地域と学校の連携を図る必要が有ると考える。

    ◎保育士不足の解消と放課後子ども総合プランの有料化は慎重な協議を望む。

    ◎市立長野高校に長野市外から通学する生徒の居住する市町村から負担金をとるべきと考える。

    ◎放課後子どもプランは有料化して欲しい。子育ては親が責任を持ってやるべき。

  • 鳥獣対策関係

    ◎鳥獣害対策の件、猟友会の高齢化、神社の障子はりなど、高齢化により継続できない。

    ◎電気柵が張れない等鳥獣被害が深刻。また、カラスが多く糞害を含め大変で対応策を求める。

  • 行政運営関係

    ◎地域福祉の問題解決が第一、相談窓口の一本化やシステムの簡略化を望む。

    ◎支所機能で一つの相談窓口で用が足りるようなシステム構築を望む。

    ◎地区社協が自立して残っているのは6地区のみ。健康寿命には保健補導員復活を

    ◎行政職員の削減を。特に支所職員(支所で間に合わないことが多すぎる)

    ◎住自協交付金は、世帯割だけでなく、面積割も導入して欲しい。

  • 交通対策

    ◎八幡原古戦場近くにターミナルを設置し、善光寺等にシャトルバス運行による交通渋滞緩和や駐車場不足の解消を望む。

    ◎交通対策として富山市のような市と事業者との連携を望む。

    ◎千曲川堤防の拡幅事業計画についても現況と見通しも示して欲しい。

    ◎公共交通網の連携、接続等について検討して欲しい。

  • 都市デザイン

    ◎本市に大型ショッピングセンターは、必要ないと思う。

    ◎中央通りに公衆トイレを設置して欲しい。

  • 消防関係

    ◎消防団詰め所・器具置き場の廃止は検討して欲しい。

新友会政策モニター研修会開催

新友会政策モニター研修会開催

開催日 平成28年7月16日(土)

場 所 メルパルク長野

講演会

“長野の大地“が海から山へと移り変わってきた生い立ちをもつこと、そして現在もその動きは続いており、これからも災害と向き合っていく必要があることなどを講演いただきました。

演題「長野の大地に学ぶ」~災害との関係~

講師 戸隠地質化石博物館 田辺 智隆(たなべ ともたか)

1.長野の大地の生い立ち・・・太古はクジラやサメが泳ぐ海。
噴火や隆起・地すべり・洪水で今の姿に

〇戸隠山の生い立ち・・・海底の地層が隆起した化石の山

約500万年前、海底であった戸隠山は海底火山の噴火によってできた地層からできている。

その地層の中から貝やホオジロザメ・クジラなどの化石が見つかっている。

約200万年前から隆起が始まり、現在の山ができた。

日本一隆起が激しい山であり、大きな地震の繰り返しでできたものと考えられる。

その後、何万年にもわたる浸食が進み、のこぎりのような独特の形状となり、天の岩戸伝説を生み、山岳信仰の霊場となった。

〇裾花川・犀川・千曲川の誕生・・・大峰面(標高1,000m~800mの平坦面)が川の名残

約300万年前から北アルプス一帯の隆起が激しくなり、長野一帯の海は北アルプスから運ばれた土砂で埋まり浅くなっていった。こうした土砂を運んだ名残りが、裾花川・犀川となっている。そして海岸平野となったこともある。戸隠のバードラインを登っていくと、急に視界が開け北アルプスが見える場所があるが、これが約200万年前に裾花川や犀川が流れていた平野の跡で、大峰面と呼ばれている。

〇飯縄山の生い立ち・・・噴火の繰り返しでできた成層火山で水を持つ山

こうした地形の上に、約50万年前から噴火を繰り返しながらできた成層火山が飯縄山。約20万年前は標高2500mの富士山型の山であったが、西側の山体部が大きな噴火で崩れた。越水ケ原はその名残である。噴火を繰り返してできた地質で、隙間に水を蓄えやすく、山麓には豊富な湧水が沸いている。南向きのなだらかな地形もでき、住居、農地、薪炭林等に利用され、水や食料、エネルギーに恵まれた場所である。

〇長野盆地の誕生と善光寺地震・・・活断層と河川の氾濫でできた平野

戸隠山や飯縄山など西山地区が隆起し続けるのに対し、善光寺平は逆に沈み込み、盆地となっていった。善光寺平には千曲川や犀川など河川が流れ込み、山手の方は谷が侵食され深くなっていく。そうした大地の動きは現在も続き、その動きのひとつが善光寺地震である。1847年に長野盆地西縁断層が大きく動き、M7.4の直下型地震を引き起こし、山崩れや火災で多くの犠牲者を出した。さらに岩倉山の崩壊により犀川がせき止められ、上流の地域は水没し、その後の決壊により大洪水となった。善光寺平はその後何度も洪水に見舞われた水害多発地である。

2.長野の大地から学ぶ・・・動き続けている大地と向き合い、生き抜く知恵を恵む

〇長野県神城断層地震・・・長野盆地西縁断層への影響

2年前の11月に発生した長野県神城断層地震(M6.7、長野市で最大震度6弱)は、震源地が白馬であるのにもかかわらず、善光寺や若槻・浅川周辺でも被害が集中した。善光寺地震を引き起こした長野盆地西縁断層に沿って揺れが増幅された可能性が考えられる。くわしくは調査中であるが、本市の防災にとって糸魚川-静岡構造線で地震があった場合も、注意しなければならないだろう。最近の活断層を発掘する調査では、善光寺地震級のM7より大きな地震は900年~850年間隔で発生したので
はないかとされている。しかし、日本列島が地震の活動期に入ったと考えられ、M6級の地震はどこででも発生してもおかしくない状況である。

〇動き続ける大地・・・個々の防災の意識が減災に

我々の住む星「地球」は生きている。大地は動いていて当たり前という覚悟を持ちたい。長野の大地は噴火・地震・地すべり・洪水があった事でできた大地であり、その痕跡はいくつも確認できる。 防災よりも、被害をいかに減らすかという発想が必要で、それは住んでいる人々の意識を高めることである。自分たちの住む家の構造や地盤を知ることや、地域の方々と共同で地質を調査するなど防災に対する意識作りが必要と言える。

〇育った場所を誇りに思い、未来を見据える

長野の大地は素晴らしい自然や歴史を持つ。先人達は自然を生かし、それぞれ地域の地質にあった特産品を作り出し生きてきた。それは、人々の経験からくるものであるし、大地の生い立ちから生まれてきたものでもある。大地の生い立ちを学び、知恵を磨き、災害から身を防ぐ。そして新しい特産品をつくりこの地域で生き抜く。皆さんとそのような知恵を育んでいく勉強を博物館で行いたいと思っている。是非、戸隠地質化石博物館においでいただき、一緒に勉強させていただきたい。

講演に対する主な感想をご紹介します

  • 長野の大地の成り立ちを知ることができ良かった。地域の歴史を知り、今に活かすことが重要である。
  • 子どもに是非聞かせたい。機会があれば博物館にいってみたい。
  • 防災に対する意識の高まりに結び付く講演であった。地域ごとの減災への取り組みが必要と感じた。
  • 多くのモニターの皆様に好評をいただき、地質科学の分野からの本市の成り立ちの原点を見つめ直す良い機会となりました。
    私達も新たな視点で行政課題に取り組んで参りたいと思います。

    「長野の大地の生い立ち」や「地域の地質」についてお知りになりたい方は、戸隠地質化石博物館へお訪ねください。

    戸隠地質化石博物館

    〒381-4104
    長野市戸隠栃原3400
    TEL:026-252-2228
    URL:http://www.avis.ne.jp/~kaseki/

    懇談会

    新友会政策モニター制度は、日頃から恒常的に市民の皆様の意見を伺うための制度で、政策モニターの皆様によって市政に対する要望や意見などをいただいております。新友会では市政への要望書として提出し、市政に反映されるよう努力しております。
    講演会終了後、テーブルごとにモニターの皆様と新友会議員による懇談会が行われ、モニターの皆様から市政・市議会に対するご意見・ご要望・ご提案をいただきました。その主なものにつきましてご紹介いたします

    • 市議会について

      ●もっと議員と、身近に話しをする機会が欲しい。

      ●視察で学んだことをどう市政にいかしていくか?報告して欲しい。

    • 新庁舎・芸術館関係について

      ●市民会館の入り口がわかりづらい。

      ●芸術館行事スケジュール等、ロビーなどにもっとわかりやすく。

      ●子どもたちが使用する際には減免をしてほしい。

      ●(芸術館利用者には)駐車場代は無料化すべき。

    • 住民自治協議会について

      ●住自協の役員選出が困難になっている。

      ●自治協議会へ様々な事業が丸投げになっている感がある。

    • 防災対策について

      ●河川の氾濫を想定した、防災対策が必要である。

      ●防災マップについて行政より指導が欲しい。また、議員も参画した対策が必要。

      ●中山間地域等地理的・地形的な要因からの防災対応(地滑り・急傾斜・水害)が必要である。

      ●空き家対策特別措置法により、老朽化住宅対策を加速する必要がある。

      ●ゲリラ豪雨が今後心配、生活道路や都市型災害への対応策が必要である。

    • 人口減少と高齢化対策について

      ●若者の県外流失防止対策が最優先。

      ●放課後こどもプランは中山間地域では、ほとんど全員が登録。有料化には反対。

      ●こども手当の充実は、高校生、大学生になっても必要。扶助を期待する。

    • 中山間地域について

      ●旧合併町村の合併以前からの公共施設は、維持、運営には大変な労力が掛かっている。

      後世に引き継いでいくためにも地域の宝として活用していただきたい。

      ●中山間地域においても雇用の確保ができるように考えて欲しい。

      また、賃金などに置いても、地域間格差、所得格差がでないよう考えて欲しい。

    • 公共交通について

      ●公共交通相互の連携が悪いため、乗継等に不便を感じている。

      ●巡回バスの利便性が悪い、高齢者が朝夕利用しやすい巡回バスの対応を願う。

      ●市街地に於いてもデマンド方式のバスの運行方法を検討してはどうか。

    • 商工・観光について

      ●長野市の観光地、観光資源の活用が不十分。

      ●長野市は宣伝力が弱い。いつも身内だけで盛り上がっている感が強い。

    • 農林業について

      ●鳥獣対策の充実が必要。困っている。

      ●農業振興条例もいいが、耕作者(地主)の中には手放したい方も大勢いる。

      農地を守るばかりに特化して農家を助けることになっていない。

      ●ふるさと納税返礼品に農産物などの特産品をつけてほしい。

    • その他のご意見

      ●長野市の公園は、犬を連れて入ることができない。改善を願う。

      ●他市のまねではなく、独自の発想でまちづくりの施策を実施されたい。

      ●空き店舗の活用として、若者(大学生等)に託した街の活性化が必要。

    モニターの皆様から多くのご意見をいただきました。

    私たち会派の政策提言の参考にさせていただきます。